*この記事は2026年7月に、ヨガアライアンス公式サイト・公式ヘルプセンター・公式基準ガイドで内容を確認して執筆しています。

「RYT200は2024年から新しい基準に変わった」

ヨガ資格について調べていると、こうした説明を目にすることがあります。しかし2026年7月現在、これは正確ではありません。すでに登録している学校の移行手続きは、いま止まっています。

この記事では、2020年に発表された新基準がどうなったのか、そしてこれから資格を取る人が何を見ればよいのかを、公式情報にもとづいて整理します。

「2024年からすべての学校が新基準」は誤り

結論から書きます。ヨガアライアンスの公式ヘルプセンターには、こう明記されています。

すでにRYS200を保有している学校について: 移行(up-leveling)の手続きは現在停止しています。

つまり、既存の認定校が新基準へ移行する仕組みそのものが、いま動いていません。「2024年に全校が移行を終えた」という説明は、当初の予定が語られたまま更新されていないものだと考えられます。

再開の時期は公表されていません。公式には「変更が決まり次第、十分な猶予をもってお知らせします」と書かれているのみです。

新基準(Elevated Standards)とは何だったのか

2020年2月、ヨガアライアンスは認定校の基準を引き上げる「Elevated Standards(強化基準)」を発表しました。資格の質を守り、学校が受講生に対してより責任を持てるようにすることが目的でした。

主な内容は次のとおりです。

リードトレーナーの資格を引き上げる

指導の中心となるリードトレーナーは、E-RYT500の資格を持つことが必要になりました。さらに、200時間のうち150時間以上をリードトレーナーが担当することも求められます。

カリキュラムの内訳を明確にする

RYS200の200時間は、次の配分で構成されます。

分野 時間
技術・練習・指導法 75時間
解剖学・生理学 30時間
ヨガ・ヒューマニティーズ(哲学・歴史・倫理) 30時間
指導者としての基礎 50時間

*「ヨガ・ヒューマニティーズ」は以前「ヨガ哲学・ライフスタイル・倫理」と呼ばれていた分野です。ヨガ哲学に加え、歴史や倫理を含みます。

移行はなぜ止まったのか

当初の予定では、既存校は2022年2月までに新基準へ移行することになっていました。その後、期限は2023年末に延期されます。

延期の直接の理由は、2020年からのコロナ禍でした。多くのスタジオが休業や閉鎖に追い込まれ、学校側に移行作業を求められる状況ではなくなったためです。

さらにその後、ヨガアライアンスは2024年から2030年の戦略計画のなかで、資格制度そのものを設計し直す方針を打ち出しました。会員や実践者、専門家との対話を通じて、資格・サービスのあり方を作り直しているところです。この見直しが続いているため、既存校の移行手続きは停止したままになっています。

いま、学校は2つに分かれている

その結果、認定校はいま次の2つのグループに分かれています。

ヨガアライアンスの新基準が適用されるのは、これから申請する学校だけ。新規申請の学校は新基準で審査され、新基準を満たして登録される。すでに登録している既存校は移行手続きが停止中で、従来どおりの認定のまま。つまり「移行済みの学校」は存在しない。移行が止まっている間も、既存校にはリードトレーナー全員がE-RYT500であること、通信教育はリアルタイム授業15%以上であること、承認済みカリキュラムを継続することの3点が求められている。移行手続きの再開時期は公表されておらず、どちらのグループも正規の認定校である

適用される基準
これから申請する学校 新基準(Elevated Standards)で審査される
すでに登録している学校 移行は停止中。従来どおり承認済みのカリキュラムを継続する

新しく認定を受ける学校は新基準で審査されます。一方、以前から運営している学校は、これまでのカリキュラムのまま運営を続けることが公式に認められています。どちらも正規の認定校です。

既存校に求められている3点

移行が止まっている間も、既存校には次の3点が求められています。

  1. リードトレーナー全員がE-RYT500の資格を持つこと(2025年1月1日から適用)
  2. 通信教育を提供する場合、リアルタイムの授業を15%以上含めること(RYS200なら30時間以上)
  3. 承認済みのカリキュラムを継続して提供すること

この3点は、新基準の中核部分を先行して適用したものと言えます。

受講を検討している人は、何を見ればよいか

ここまでを踏まえると、ひとつのことが見えてきます。

「RYT200」という資格名だけでは、学校ごとの中身の違いは分かりません。

新基準の導入によってすべての学校の水準が揃ったわけではなく、移行が止まっているいまは、むしろ学校ごとの差が見えにくくなっています。同じ200時間でも、学べる内容や指導の密度は学校によって変わります。

学校を選ぶときは、次の3点を確認することをおすすめします。

1. 講師の資格

リードトレーナーがE-RYT500を持っているかを確認してください。これは現在すべての認定校に求められている要件です。加えて、メインで教える講師陣がどのような資格・経歴を持っているかも見ておきたいところです。

2. リアルタイムの授業がどれくらいあるか

現在の基準では、通信教育の場合でもリアルタイムの授業が最低30時間必要です。逆に言えば、30時間を満たしていれば残りは録画視聴でも構いません。どれだけ直接指導を受けられるかは学校によって大きく違うため、必ず確認してください。

3. カリキュラムの中身

特にヨガ哲学・歴史・倫理(ヨガ・ヒューマニティーズ)の30時間をどう扱っているかは、学校の姿勢が表れる部分です。誰がどのように教えるのかを確認しておくと、学校の考え方が見えてきます。

👉 学校選びの具体的なチェックポイントや費用相場は ヨガ資格取得完全ガイド にまとめています。

よくある誤解の整理

最後に、よく見かける誤解をまとめます。

よくある説明 正しくは
2024年から全スクールが新基準に移行した 既存校の移行手続きは現在停止中。再開時期は未公表
対面での受講が最低30時間必要 正しくは「リアルタイムの授業」が最低30時間。オンラインのライブ授業でも満たせる
録画を見るだけでRYT200が取得できる できない。リアルタイムの授業が最低30時間必要
ヨガ哲学が30時間必須になった 内容は正しい。現在の正式名称は「ヨガ・ヒューマニティーズ」(哲学・歴史・倫理を含む)

まとめ

2020年に発表された新基準は、新しく申請する学校には適用されていますが、既存校への移行手続きは停止したままです。制度が動いている途中であるいま、学校ごとの違いは資格の名称からは読み取れません。

だからこそ、講師の資格・リアルタイム授業の時間数・カリキュラムの中身という3点を、自分の目で確かめることが大切です。

出典: ヨガアライアンス公式ヘルプセンター「When do I need to up-level my RYS program to meet the new 200-hour standards?」/公式基準ガイド「Standards for RYS Credentials」(いずれも2026年7月確認)


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