
Live as if you were to die tomorrow.
Learn as if you were to live forever.
明日死ぬと思って生きなさい。
永遠に生きると思って学びなさい。
Mohandas Karamchand Gandhi
この言葉は、アヒムサ(非暴力)を貫き、インドを独立に導いたマハトマ・ガンジーの言葉として知られています。
情報過多の現代だからこそ、今のヨガインストラクターに一番必要なのは、バガヴァッド・ギーターを愛読したガンジーのように、ヨガ的な生き方を貫くぶれない心なのかもしれません。
ヨガ指導者に必要な心構えについて、まとめてみました。

Contents
ヨガアライアンスの今後

Yoga Artsrティーチャートレーニングの創始者・ディレクター
ルイーザ・シアー インタビュー
*英語でおこなわれたインタビューを日本語訳にしています。
ヨガティーチャーの存在意義
インタビュー(以下I):まず最初の質問です。ずばりヨガティーチャーとはどんな存在でしょうか?
ルイーザ・シアー(以下L):ヨガティーチャーとはヨガに身をささげている人、真実に向き合っている人、ヨガの手法に関することを教えている人のことね。
I:とてもシンプルですが的確な回答ですね。ではあなたはなぜヨガを教えているのですか?
L:ヨガを教えることは私の愛であり、人生であり、情熱であり、また古くからあるヨガの手法をよいものだと思っているからなの。
ヨガティーチャーの有能さ、無能さ
I:現在世界中で活躍するヨガティーチャーを指導してきたあなたの言葉はとても重みがありますね。
次はちょっとストレートな質問ですが、有能なヨガティーチャーってどのような先生ですか?
L:私が思うに、ヨガティーチャーの有能さっていうのはどれだけヨガに身をささげているかということだとだと思うの。つまり可能な限り自分自身の練習に専念し、どれだけヨガとともに生きる意欲を持っているか、ということじゃないかしら。
また生徒の誰もが本来備わっている長所を持っていることを認めてあげて、先生であるという立場を利用して意図的な操作をしない、生徒を束縛しない、その上で生徒を勇気づけてあげることができることはとても大切よ。
それから、生徒に対して寛大でありつつも先生としての威厳を保ちながら教えること。束縛しないやり方にははたくさんの方法があるということがわかっていること。生徒に責任と権限を与えること。それらも重要なポイントね。
I:意地悪な質問ですが、逆に無能なヨガティーチャーとはどんな先生?
L:あらゆる状況下で有能な先生に変わる先生だっているので、私は無能なティーチャーっていうのは存在しないと思いたいわ。でも有能とはいえない先生のやり方をみてヨガという名の下にそれが正しいやり方だと感じながら練習を続けたり、安心感がないままで練習を続ける生徒さんは見たくないわね。そんなときは自分自身の練習にはなってないし、練習するという心の状況ではないと思うの。
もし私が無能だと分類するとしたら、私は先生としての地位を悪用する先生だってことはいえると思うわ。
I:ヨガティーチャーの内面について質問です。
ヨガティーチャーになるためには自分自身について理解することが必要ですか?
L:教えることができるというのが自分自身をすべて理解しているという証拠にはならないので、これには明らかにたくさんの理解があるでしょうね。と前置きをした上で、自分自身について理解するということは誠実さと真実へのコミットメントとともに形成されることで、私の経験からいうとそれはヨガを教え始めるときに促進されるものだと思うの。教えるという立場で、ある人は生徒のモチベーション、反応をもっと間近にみることができるでしょうし、そのとき間違いなく、教えるという行為からから責任が高まってくるの。

ベジタリアンであるということ
I:ヨガティーチャーになるためにベジタリアンになる必要はありますか?
これは皆さん関心があると思います。
L:いいえ、必要はないというのが私の考え。近代ヨガの世界では、考えは日々変化し続けているわ。ヨガに本流はないとはいっても、過去のいろいろな流派(タントラヨガを除いて)でそうだった。生徒がベジタリアンでないように最近は先生もそうみたいね。
でも、私はたくさんの生徒が深く練習をするようになると、自然によりサトヴィックな食事に変化するという自然な流れをずっと目にしてきたわ。だから私の哲学は、ベジタリアンになるとかベジタリアンにならないとか考えることから距離を置くこと。万事の崇高的な面を理解すること。そうあるべき、とか、そのようである、という風に考えないこと。つまり安らかな心をもってノンジャッジメントや人生を受け入れること。それらは自然にヨガにもつながることじゃないかしら。
綺麗なヘッドスタンドができることの必要性
I:ヨガのティーチャーにためにきれいなヘッドスタンドをする必要はありますか?
ハンドスタンドは?バックベンドは?
何が必要なのでしょうか?生徒にとって先生選びの参考にもなるかも知れないと思って質問しました。
L:洋の東西を問わず、多くの異なった段階のヨガティーチャーがいるわ。ヘッドスタンドができる先生がよい先生どうかは言えないと思うわ。まず第一に、ヨガの本質は外面の練習の効率では判断できないの。第二に、もしその先生がどのような流派にかかわらずハタヨガ(肉体的な側面)を教えていれるのであれば、アサナが彼らのレベルになるでしょう。そして彼らはその段階に応じて教えることになるでしょうね。
これは、生徒がいろいろな先生のところに行ってみることが重要だという理由なの。先生ごとに持っている経験は違うでしょ。ある生徒が練習を重ねて上達していくと、その生徒はもっと上級の先生を見つける必要があるかもしれないわ。
明らかに、ある先生がヨガの身体的な側面を教えているのであれば、彼らのレベルは彼らの練習に作用されることになるでしょうね。ヘッドスタンド、バックベンド、ハンドスタンド等の練習をすることは、知性とは?自覚とは?忍耐とは?について知ること、骨格や筋肉系の働きに関して理解すること、与えられた時間の中でフィジカルの弱点、強さを知ることなどにつながるわ。
生徒と先生の関係
I:生徒と先生の関係においては何が重要ですか?
先生、生徒の視点それぞれから違ってくると思うのですが。。。
L:これはとっても重要な質問だわ。私の視点から言わせてもらうと、安心感を作りだすことが重要で、その結果生徒は先生と一緒にいて安全や快適を感じるようになるでしょう。この関係を保つことで尊敬の念がでてくるの。尊敬というのは生徒と先生間の相互のもので、どちらか一方的なことではないの。
I:日本でもヨガの練習を数年前からやり始めた人が、ヨガスートラを学びはじめるという傾向が出てきています。ヨガスートラはヨガティーチャーにどのように関係していますか?
L:ヨガスートラは特有の手法について述べられている上、心と体そしてすべての神との関係における個人の経験が表現されているの。スートラは生徒と先生にこれからヨガの道を歩もうとしている人に理解と光を運んでくれるガイドといえる存在。でもヨガスートラで述べられているのと同じ経験を誰もがするべきだと考えたり、期待するべきだと、教えることからは誤解が生まれると思うわ。自己実現は人それぞれの経験から生まれるものなの。明らかにいろんな方法で自己実現は現れてくるものだとおもうの。これは記憶にとどめておくべき重要なことよ。
日本でヨガティーチャーになるということ
I:日本のヨギ/ヨギーニの印象について教えてください。
L:私は日本に対して、好奇心と感嘆を感じていて、それは日本という国の独特の性質に現れているとおもうの。
私が日本についてまず思い浮かぶこととして、たくさんの火山性による地震がおきている巨大な地震ベルトに横たわっていることがあるわ。だから国全体は温泉でいっぱいで、それゆえ文化として湯治と呼ばれる治療法を作り出されているでしょ。
日本の国土は母なる地球からこの力強い活動を受けて、とても強くパワフルなエネルギーをもっている。私は日本にいるときそれを感じるわ。日本のヨギ/ヨギー二は、協調性があって、よい規律と決意があり、また素朴で謙遜しながらも自身を表現するという、自然でスピリチュアルな方法を心得ているわ。またヨガを通じて解脱を得ようとしている人からは信じられないくらいの強さがあるということも目にとまっているわ。
I:最後にこれからヨガティーチャーになるかもしれない生徒へメッセージをお願いします。
L:ヨガを練習することはギフトであり、ヨガを教えることは与えられたご加護なの。ヨガを教えるには勇気、責任、それからすべてをゆだね心を止揚しようとする意欲、などが必要になってくるわ。皆さんの活躍を期待しています。
スタジオオーナー、採用担当者が考える良い指導者の条件

「ヨガアライアンス&ヨガジャーナルの共同調査2016」によると91%のスタジオオーナーが、
ヨガアライアンスの資格を重視しています。
ヨガワークスを始める前に4年間練習していたし、2年間指導していた。
それでも私は自分をまだ赤ちゃんだと思っていた。
31年間ヨガを教えてきて、やっとティーチャーたちを指導できる準備ができた程度よ。
<ヨガワークスの創立者、マティ・エズラティ>真のリーダーシップとは|先駆者が問題視する「今のヨガ界」に足りない事
ヨガマスターB.K.S.アイアンガーはかつてこう言いました。
「私は足の親指を押し下げると胸骨がどうなるか探るために
75年間を費やしてきました」。
<OM ヨガセンターの創立者、シンディ・リー>世界的ヨガ指導者に聞くヨガレッスンのつくり方|シンディー・リー氏の場合
2人の言葉にあるように、ヨガインストラクターとなった後も学ぶことをやめてはいけません。
ヨガアライアンス200時間のトレーニングを受けた後も、謙虚に学び続ける必要があります。ヨガインストラクターも一生を通じて生徒あるべきで、日々の一瞬一瞬が練習です。ヨガマットのオン/オフを問わず、学ぶべきこと、知るべきことがたくさんあります。

成長し続けるためにやるべきこと
マタニティヨガ、キッズヨガ、シニアヨガなど、より専門性を求められるクラスを安全に行うためには200時間のトレーニング(RYT200)の内容では足りません。200時間は、基礎的な内容の学びにとどまるからです。
ヨガインストラクターとして成長し続けるためには、専門的な学びを深め実践を積むことが必要です。ヨガアライアンスはそのために500時間のトレーニング(RYT500)を用意しています。RYT500のカリキュラムはシニアヨガ、マタニティヨガなどさらに専門性を高めた内容の必修講座があり、他にもより専門的な知識を深められる選択科目も充実しています。
例えば大学で言えばRYT200が1~2年生で学ぶ基礎科目だとすると、RYT500は3~4年生で学ぶ専門科目というようなイメージです。
世界的にも今のヨガを取り巻く現状を見ると、ヨガの急速な広まりとともに求められる指導者としての要件やレベルも幅広く、多岐にわたります。
日本においては医療機関や学校、行政と連携してより多くの人の健康に役立てようという取り組みや、超高齢社会を迎え近年介護施設におけるシニアヨガの需要も急速に増えてきています。また身体的・精神的な特徴や不具合(病気・障がい)を抱えている方にもヨガを必要とされる場面も増えてきました。近年ヨガが広く普及することにより、今後ますます様々な場面でヨガの需要が増えていくことが予想されます。
その時、知識と経験に裏付けられた指導者が求められるのは言うまでもありません。

ヨガブームの弊害

ここ2年でRYTが倍増しており、日本ではヨガ資格ブームが起きています。そのため経験の浅いインストラクターの多くが無保険で活動している、という現状です。これは早急に取り組んでいかなければならない課題です。
*ヨガアライアンスのウェブサイトを元に作成した2019年8月現在の数字です。
ヨガインストラクターが守るべき法律
【厚生労働省の「ヨガ」に対する見解】
『ヨガ安全指導員ハンドブック2019』によると、現在、ヨガはあくまでもフィットネス、運動指導という見方をする方が多いですが、厚生労働省が2014年頃からストレス対策、心理療法に「ヨガ療法(ヨーガ療法)」が有効との見解を示し、研究助成などを行っています。
2015 年に設置された「統合医療」情報発信サイトに、ヨガ療法に関する情報(九州大学・岡孝和教授、現在は国際医療福祉大学教授)が2016 年に掲載されました。
今後は医療との結びつきが強まる可能性が高まり、さまざまな法規制の対象になる可能もあります。
【ヨガアライアンスの「ヨガセラピー」に対する見解】
Yoga Allianceでは、ヨガセラピー、ヨガセラピストという表記を使用することを禁止しています。
もしRYTかRYSがYoga Therapyという言葉を使用する場合は、
(Yoga Allianceとは関係がないことを明示するために)そのYoga Therapyが何に基づいているかを明記する必要があります。違反した場合、Yoga Allianceのポリシーに反するとして、
RYS/RYTの登録を取り消されてしまいます。

500時間ティーチャートレーニング スクール紹介 (2019年11月現在)

ヨガアライアンス登録:2007年11月
修了生によるレビュー数:314
修了生による評価:★★★★★4.64(5点満点中)
ヨガアライアンス講座数 修了者数No.1。ヨガアライアンスの上級資格、RYT500トレーニングの受講者も日本一。定期的な500時間トレーニングを日本で開催している数少ないヨガスクール。

ヨガアライアンス登録:2008年1月
修了生によるレビュー数:57
修了生による評価:★★★★★4.53(5点満点中)
2003年にパトリック・オアンシア によって設立。世界各国のエキスパートを招聘し、ワークショップ/セミナーを多数主催。2010年にBASEWORKS Practiceを発足。