ヨガにおける公平性

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最終更新日:2020年2月27日

*ヨガアライアンスのウェブサイトコンテンツを日本語に翻訳し、掲載しています(掲載許可済み)。

倫理的コミットメント(Ethical Commitment)に含まれるヨガにおける公平性(Equity in Yoga)という課題の目的は、ヨガが行われる場で多く見受けられる不公平性をより深く知るということです。これに取り組むことでメンバーの皆様とより広いヨガのコミュニティがヨガコミュニティ間の横の繋がりを築き、さらにそこに貢献しやすくなるでしょう。
これは更新された行動規範(Code of Conduct)と新しい職務権限の厳守(Scope of Practice)とその中で強調されているハラスメント防止、差別防止、インフォームドコンセント、積極的インクルージョン、その他のキーポイントにも反映されています。さらに、2020年後半に継続的教育の単位として提供される予定のヨガアライアンスが公平性分野のリーダーや専門家と共に作成しているヨガにおける公平性(Equity in Yoga)についての基礎講座でも取り上げられます。

ヨガにおける公平性(Equity in Yoga)に関する立場

この二年間でヨガアライアンスとヨガアライアンス基金(Yoga Alliance Foundation)はメンバーの皆様とより広いヨガコミュニティの皆様、加えてヨガにおける公平性運動(yoga equity movement)のリーダーと率直な意見交換を重ねてきました。

その中でそれぞれの視点から経験してきたこと、特に不公平な扱いを受けたり見たりした経験を聞き、よりウェルカムな雰囲気で支援体制が整っており、誰でも気軽に参加できるようなヨガの場というものの必要性を聞き取ってきました。こういった声は私たちのヨガにおける公平性への意識とその責任感をより強いものにし、これから先全てのヨガアライアンスメンバーの共通意識となる倫理的コミットメント(Ethical Commitment)の成立ちに影響を与えました。

コミュニティの声を吸い上げる形で実施された18ヶ月間のスタンダード再考プロジェクト(Standards Review Project)ではヨガスクール経営者、先生、ヨガをする人、しない人、と多種多様な方々から率直な体験談を聞き、不公平な扱いを今まで受けてきた人たちには特に、より公平なヨガの環境というものが必要だという助言をいただきました。これらの声はこういった重要な課題への私たちの意識を高め、これから先に向けて働きかけていくことの土台となりました。この機会になぜこれが私たちにとって重要なのかを説明させていただきます。またメンバーの皆様の間で、そしてより広いヨガコミュニティ内でもヨガにおける公平性が高まっていって欲しいと願っております。

なぜ公平性なのでしょうか?サティヤの心で見ると、ヨガを取り巻き、その実践に関わるシステムに内在する不公平性が見えてきます。アヒンサの心で見ると、こういった不公平性によって多くの人々が除け者にされ、傷ついてきたということが分かります。公平性を築くことで多種多様な人々やコミュニティにリソースや支援、機会をフェアに配分することができ、安全に、批判を受けたり傷つけられる心配もせずにヨガを教え、実践し、勉強することができるようになります。

公平性に焦点を置くことで多様性、アクセシビリティ、インクルーシビティ分野における変革への働きかけの中心を作ることができます。公平性を強調することで、リソースや支援へのアクセスが全員に開かれているようにしたいという希望の共有になると共に、全てのコミュニティでヨガのトレーニング、ティーチング、ビジネス、そして実践の機会が活用できるようになるまでにはやらねばならぬ事が多くあるという再認識にもなります。

なぜ今なのでしょうか?ヨガにおける公平性に意識が向き始めたのは最近のことではありません。ヨガコミュニティの中の多くの人々はよりウェルカムな雰囲気で支援体制が整っていて、誰でも気軽に参加できるようなヨガを作るべく変革を押し進めてきました。こういったリーダーの方々に教えていただき、ムーブメントに参加できることを有り難く感じています。

ヨーガスートラ1.1— Atha yoga anushasanam (*)— は、今この瞬間に参加し、実際起きていることに意識を向けるよう私たちに呼びかけます。傍観者でい続けることはもはやできません。私たちは、学びと果たすべき責任と意識の幅を広げるプロセスを先導し続けてくれている方々の声や経験、やってきた事をより多くの方々に届ける役割を担いたいです。

なぜヨガアライアンスなのでしょうか?私たちはヨガコミュニティの一員であると同時により公平なヨガを支援するという私たち自身の道も歩んでいます。私たちは多くのチャレンジを乗り越えなければならないという事、また歩まねばならぬ道はこの先長く続くという事もよく分かっています。スヴァディヤーヤの心で見ると、ヨガアライアンスとヨガアライアンス基金(Yoga Alliance Foundation)はこの取り組みには一筋縄では行かない苦しみがあると分かりますし、それを受け入れながら自身を省み続け、生涯続く学びのなかで内省と教育そしてトレーニングを続けていきたいと思っています。私たちは、不公平性や除外されてしまう人たちがいる事に深い理解をもち、そういった場がよりウェルカムな雰囲気で、支援体制が整っていて、誰でも気軽に参加できるような場となる事を願っています。ヨガアライアンスはヨガをより公平なものにする変革を支援する事にコミットしており、メンバーの皆様、そしてより広いヨガのコミュニティに対してもこの変革への取り組みに参加していただきたいと思っています。

この次は何がある?メンバーの皆様とより広いヨガのコミュニティ内でのヨガにおける公平性に対するアウェアネスと責任意識を上げるために私たちが持てるリソースを投資していきます。この投資は更新された行動規範(Code of Conduct)と新しい職務権限の厳守(Scope of Practice)とそこで強調されているハラスメント防止、差別防止、インフォームドコンセント、積極的インクルージョン、などを含む倫理的コミットメント(Ethical Commitment)に始まります。そしてそれはヨガにおける公平性(Equity in Yoga)についての基礎講座と、より多様な方々の経験や声に焦点をあてたイベントやアクティビティの支援へと繋がります。

私たちが掲げる目標はこの課題に皆様と一丸となって取り組み、ヨガの価値観に沿った心で行う働きかけによって意味のある変化の一端を担う事です。この取り組みへの参加の仕方はその人その人によってそれぞれ違う形をとるでしょう。是非私たちと一緒にヨガにおける公平性の実現に向けて共に歩んでいきましょう。

お考えやご意見、ご質問などは下記アドレスまでメールでお送りください
info@yogaalliance.org.

(*) 「今、ヨガの教え(が示される)」 Edwin F. Bryantによる “The Yoga Sutras of Patanjali: A New Addition, Translation, and Commentary” p4の訳より引用

よくある質問

Q1.ヨガアライアンスがどのようにヨガにおける公平性(Equity in Yoga)についての意見や洞察をメンバーやその他ヨガコミュニティから吸い上げたのか、より詳細に教えてください。

ヨガアライアンスはあらゆる立場にいるワーキンググループやタスクフォース、スクール経営者や先生との対話を続けてきました。こういった対話の中で、多様性を高めることと、インクルーシビティとアクセシビリティ—これをより広義に捉えたものがヨガにおける公平性—の重要性が常に強調されてきました。

これに対する答えとしてヨガアライアンスは強化されて、より現在のニーズに合った、更新された行動規範(Code of Conduct)と新しい職務権限の厳守(Scope of Practice)、ヨガの公平性への意識と責任、を含んだ倫理的コミットメント(Ethical Commitment)を発表しました。

この共有されるコミットメントはより質が高く、安全で、誰でも公平に、気軽に参加できるようなヨガトレーニングを培う手助けをします。さらにこういった条件をつけることで一般の方々のヨガを教えるという職業に対する理解を高め、ヨガアライアンスのメンバーが持つ、全ての人に開かれたヨガのコミュニティを作ることへの決意の表れにもなります。

インクルージョンのワーキンググループ(作業部会)と公平性のタスクフォースはヨガアライアンスの公平性についての取り組みで不可欠な貢献をしました。インクルージョンのワーキンググループによる報告書ではフェアで、オープンで、真摯な態度でヨガを学び、教え、実践する重要性が強調されていました。

これを実現するためには同時に、公平性を促進し、危険を軽減し、文化の違いを尊重し、ヨガの文化と歴史におけるルーツを理解し、多様性とインクルーシビティを培う必要があります。公平性のタスクフォースからは、どのように全メンバーを巻き込んでヨガにおける公平性への意識を高め、それに対する責任感を養うような基礎講座を構成すれば良いかについて助言をもらいました。

より公平なヨガコミュニティを作るために、体験談や意見、経験をシェアしてくださったみなさまに深く感謝しております。
この取り組みにおける私たちの歩みは続いております。これからも継続して皆様からのインプットをお待ちしております。

Q2.なぜ「平等」(equality)ではなく「公平」(equity)を選択したのかを説明してください。

平等という言葉はそこにどういったニーズがあるかに関わらず全員に同じようなリソース、ツール、支援を提供することを意味します。
一方で公平という言葉はその個人もしくはコミュニティのニーズに合わせてリソース、ツール、支援を提供することを意味します。個人もしくはコミュニティのニーズは複数の要因によって影響され、それぞれに違います。サティヤ(真実)の心で見たときに、ヨガを取り巻き、その実践に関わるシステムに内在する不公平性が見えてきます。こういった不公平性によって、多くのコミュニティが疎外されてきました。アヒンサ(非暴力)の心で見ると、これによって生じた害も見えてきます。

公平性には、多様性、アクセシビリティ、インクルーシビティも含まれています。安全に、批判される心配もなく、傷つけられることを恐れる必要もなく、ヨガを実践する機会とリソースを提供することで得られる公平性は全ての人々にヨガの実践による恩恵をより多く齎してくれます。

今日、多様性、アクセシビリティ、インクルーシビティ、公平性、といった言葉は文脈、使われているコミュニティ、その他の要因によって色々な意味合いで使われます。ヨガアライアンスとヨガアライアンス基金(Yoga Alliance Foundation)ではヨガにおける公平性の講座作成を継続するなかで言葉の使われ方の違いについて言及し、関連するトピックのリソースを提供します。

Q3.ヨガアライアンスとヨガアライアンス基金(Yoga Alliance Foundation)はヨガにおける公平性(equity in yoga)のムーブメントで具体的にどのような行動をとりますか?

ヨガアライアンスはヨガにおける公平性を促進するための多様なプログラムやアクティビティに参加しています。倫理的コミットメント(Ethical Commitment)に加えて、その分野のリーダーや専門家と共にヨガにおける公平性についてのオンライン基礎講座を作っています。

この講座はヨガで欠けている公平性を理解するきっかけを作り、それが欠けてしまう考えうる原因を紹介し、またなぜヨガの実践から多くの人々が疎外されてきてしまったのかを私たちのコミュニティが理解し始めることを可能にします。さらにこの講座は公平性を高めるために取り得る達成可能なアプローチとソリューションを紹介します。

この基礎講座は継続的教育の10単位分に充てられ、全てのヨガアライアンスメンバーに提供されます。これはあくまでも初歩的な土台であり、ヨガスクールや先生が多様性やインクルーシビティ、アクセシビリティ、公平性へのアウェアネスと理解を深めるための第一歩となるように作られています。これに加えて、ほかの講座の受講やスヴァディヤーヤで個人の学びを次のレベルへと引き上げることをお勧めします。

ヨガアライアンスは組織内に存在する不公平性への意識を広げ、公平性を培うべく、内部での取り組みも行います。より多様な人々に参加してもらい、様々なヨガの先生や実践者の体験談や経験、意見を拾い上げることで公平性に関する課題を取り上げて行きます。ヨガアライアンス基金の給付金制度(Yoga Alliance Foundation grant program)はヨガにおける公平性(Equity in Yoga)を培うような組織を支援します。こういった継続的なプロセスによって私たちの様々な取り組みに一貫性を持たせます。